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こちらへ着いてから空はどんより曇り、風冷たく時折雨がパラつく、そんな天気が続いている。
奥さんを交え、3人でバスで出掛ける。

◆骨董家具店

近くの骨董の店へ。
工芸品のような、がらくたのような…古い家具が山積みされた店内。
荒い仕事、精緻なそれ、品物に施された彫りを特に注意しながら隅々まで物色する。
良い物は高い、安い物は悪い。
一階の丸テーブルと二階のアヘンベッド、本棚、小物棚がものすごく欲しくなった。
別の部屋の昭和以前の作と思われるモダンな家具も良かった。
“我々が目を付けた物は値切っても数十万から百万以上する物ばかりで手が出なかった。”
結局、店先にあった獅子の焼き物の文鎮を190元に値切って買った。
二つ買ったので、隣のシゲさんに一つあげるつもり。 一口メモ

◆店を出て…

次の目的地だった百貨店へ足を運ぶとすでにつぶれている。
昼食を取ろうとご夫婦馴染みの店に行ったらそこもつぶれている。

◆昼食

仕方なく、近くの香港料理の店で田ウナギ御飯、アヒル御飯を食べた。
“鰻丼のようなモノだったがもっとあっさりして旨かった。”
特にコメは長米だがこれがさっぱりパラパラですごく旨い。香り米といってほのかに何とも言えない香ばしい匂いがする。こちらで一番高いコメだというし、目の前の現実と日本の偏見の間にギャップがある。
カレーやチャーハンに最高という…食べてみたい。一口メモ

◆ショッピングセンターへ

デパート?…何だったかな

一階のスーパーを見学。
寿司、サンマの塩焼き、コロッケ、アジフライも売っていて日本人をお得意にしていることが想像される。

◆2階

中国名物・自転車軍団 乗りたかったが…

二階では、君の好きそうな品物をと思って、ペルシャ風の敷物の値を聞いたら日本円で30万円とのこと。
もう少し出すと家が買えるらしい。
特産品の刺繍ハンカチはどうか…それはそれを意味する言葉が「切る」か何かと同音語ということで、「こちらの人は好きな人には贈らないよ」…と、奥さん。迷信嫌いのワシもそう聞くとちょっとびびる。まだ、時間はたっぷりある、じっくり探そう。
掛け軸はやはり、これ!というモノに出会えない。
コーデュロイ風のスラックスにいいのがあったが裾直しの煩わしさなど考えて諦める。

七宝街

七宝の街並み

帰り道、万科の手前でバスを降り、トコトコと古い町(商店街)を通って帰る。
“小さな服屋の前を通る。”奥さんの東京に住む友達が生地や工賃の安いこの服屋に仕立て注文を(80着!)頼んでいて、後二ヶ月は掛かりそうだという。女の人はスゴイ。

「マディソン郡の橋」のような屋根付きの橋を渡る。
「ハハハ、これはそんなよりボロいよ」と三上さん。
記念写真の後、汚い店で本物の小龍包を食す。
スープが特に旨い。
橋に戻り、11元に値切ったフリージアの花をごっそり抱えて家に帰る。

顔見知りの方と どこでも注目の的のご夫婦 雑多な感じがいい
七宝の古い橋 橋で記念撮影 古い街の背後に新しい時代が

◆三上家

夜、紹興酒で晩酌を頂きながら、三上さんと僕の接点である「コスモ」時代の話、民族・文化の本を傍らにしての福建省の話など話題が尽きず、深夜まで時を忘れて語り合う。


1999.3.20

夢の途中